おにぎりせんべいのブログ

自分が好きだったこと、ハマっていたものの覚え書き

三島由紀夫 夏子の冒険

タイトルの三島由紀夫 『夏子の冒険』は好きな小説の1つです。


あらすじを簡単に説明すると


主人公の夏子は周りから一目おかれる魅力的な女性。周りから多くの誘いを受けますがそれを次々とはねのけます。夏子には確固たる理想がありそれに見合う男性かどうかを見抜く力がありました。


ある場所で偶然出会った青年の内なる炎に惹かれ彼の旅について行く決心をする事で物語は展開します。


それまでにもその旅の道中でも描かれる夏子の芯の強さと頭の回転の速さから彼女の魅力が外見だけでなく内面からにじみ出るものである事が伝わってきます。


物語は旅をする際と夏子、それを追う夏子の母・祖母・伯母の2つのシーンを行き来します。母・祖母・伯母の3人は女性特有の掛け合いでコミカルな味わいを醸し出してくれます。


物語の最後に近づくにつれてある”予感”が沸き起こります。これは同著の『命、売ります』のラストのそれと同じ感覚を抱きました。


どちらも読みやすく、おすすめの作品です。